なりたい自分になる

東大ロー生の雑記。法律、アニメ、イラスト、ドラム、ビール、鉱物、時計などについて書きます。

家庭裁判所の見学

今日、学校の先生の主催してくださった家裁の見学企画に参加しました。

 

少年事件へ興味をもったきっかけ

今回参加したのは、少年事件に興味があったからです。

 

少年事件に興味をもったきっかけは、私の通った小学校にあります。その小学校では、苛烈ないじめが横行していました。具体的には、けんかの強い子らのグループが、特定の生徒を汚いもの扱いし、暴言を吐き、毎日殴ったりしていました。周りの子も、自分がターゲットになるのを恐れて、(気持ち悪いくらい)加害少年に迎合していました。いじめは先生の見ていないところで行われるので、先生はほとんどそういう事実を知りませんでした。また先生は新任の若い女性だったので、先生がいじめの状況の報告を受けても、十分な対処はまったく期待できませんでした。また、加害少年にたてついたときには、親が武器をもって家に怒鳴り込んでくることもあったりしました。などなど、どうしようもない状況でした。

 

そういう理不尽な環境で幼少期を過ごしたので、当時から、いじめの被害者を放置したくない、という思いがあります。

また最近になって、少年法を勉強し、少年法の理念が非行少年の健全育成にあることを知りました。弁護士(付添人)として、非行少年に寄り添うのは、いじめの被害者を擁護する立場とは逆の立場のようにも見えます。が、非行少年にも、加害者となるまでの経緯や様々な事情があることや、非行少年を更正させて再度の非行を防止したり、究極的にはいじめのない(かぎりなく少ない)世の中にしてゆくという点では目指すところは共通なのだろうなと考えたりして、今では、非行少年にも目を向けなければいけないという思いがあります。

 

ただ、今日、裁判官の先生から話を伺ってみて、少年事件はお金にならない仕事のようだということを知りました。というのも、少年自身はお金をもちろん持っていないし、保護者も持っているとは限らないし、弁護士(付添人)としての拘束時間がかなり長いからだそうです。ただし、あまりにもお金にならない場合は、日弁連から援助金という形でできるみたいです。そもそもお金がほしくて少年事件に興味を持ったわけではないし、せっかく弁護士になるんだったら多少お金にならないとしてもやってみたいという気持ちが今は強いです。

 

痴漢について

ところで見学後の懇親会で、裁判官の先生方にいろいろ突っ込んだ質問してみました。

・ニュースで痴漢冤罪が取り上げられているが、推定無罪の原則は骨抜きになっていないか?

これに対する裁判官の先生の答えは、次のような趣旨でした。

ー最近は痴漢事件では、検察官による勾留請求の数自体も少なく、起訴も少ない。裁判官としても被害者の供述一本で有罪にすることはほとんど考えられない。また、「本件のこれこれの条件下においては、被告人にとって痴漢ができなかったとはいえない」という判決文の一部を取り出して疑わしきは被告人の利益にを貫徹していないと非難する意見が見られるが、これは恣意的な判決の誤読である。判決をよく読んでみると、確定的な証拠によって犯罪事実の証明を行った上で、いわば補助的に、被告人をとりまく諸環境から犯行が不可能であったとはいえない、ということをいいたいがためにそういう表現をしているにすぎない。

 

確かに、痴漢事件の判決文は僕は読んだことがなかったので、一度読んでみる必要があるなと感じました。

ただ、上記回答に対しては、裁判になるとほぼ確実に有罪になると考えて、あるいは捜査機関の取調べに屈して、示談をしてしまう男性がいるために、裁判で表ざたにならない潜在的な痴漢冤罪がいるのではないか?また、もし仮に有罪になることを恐れて示談をしてしまう人がいるのであれば、その背景には、国民の司法への信頼が十分ではないということではないのか?という疑問もぶつければよかったです。が、そのときは思いつかなかったです。

 

これに関連して、もうひとつ、

・もし明日痴漢冤罪で捕まったとして、裁判まで粘っていいか?

ということを聞きましたが、

ー否認を続けられるのであれば大丈夫です。

とのことでした。(まぁ、そう答えるしかないですよね。。。)

ただ、この裁判官の方は別の機会に、現在の捜査機関の取調べについて「僕なんかだと2日でやってない事件の自白をしてしまうでしょうね」と述べていて、捜査機関による圧迫的な取調べがあることを認めておられるようでしたので、否認が続けられない人はどうするんだ?という疑問も後からわいてきました。が、そのときは思いつかなかったです。

 

法科大学院にまで来ても、司法内部の実情というのはよくわからないです。自分から本を読んだり法曹に話を伺ったりして、情報を摂取していく必要がありそうです。