事業譲渡

 

事業譲渡の思考プロセス例

事業譲渡にあたる場合は特別決議が必要ゆえ、「事業の全部の譲渡」または「事業の重要な一部の譲渡」にあたらないかが問題となる~

 

相手方が譲渡会社の特別支配会社にあたる場合、また簡易事業譲渡にあたる場合(譲渡資産が純資産額の5分の1以下)は総会決議の承認が不要であるところ、本件ではこれにあたらない

 

事業譲渡の論証。本件が全部譲渡か、「事業の重要な一部の譲渡」かも認定する。「重要な一部の譲渡」といえるためには、当該譲渡が質的にみて事業の重要な一部かどうかで判断する。

 

事業譲渡にあたるにもかかわらず総会決議を欠く場合、事業譲渡の効力を論述する(相対的無効説)

事業譲渡にあたらない場合には、重要財産処分にあたり取締役会決議がいらないかを検討する。

 

 

【論点】「事業の全部の譲渡」(46711)、「事業の重要な一部の譲渡」(2)の意義(事例11)

 

 この点21条以下の事業譲渡と同一に解することにより法解釈の統一性を図るべきであり、

事業の譲受人にとって事業活動の承継があるか否かによって総会特別決議が必要か否かの判断を明確にし容易にすることが取引の安全に資する。そこで、事業譲渡とは、

 ①一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要な一部の譲渡し(有機的一体性)、②これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた事業活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせるもの(事業活動の承継)をいう。

 なお判例は、事業譲渡の該当性の判断基準に、③譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業避止義務を負う結果を伴うものという点を挙げるが、競業避止義務は事業譲渡に伴う効果であって、事業譲渡にあたるための要件ではないと考える。

 

467条との関係で特別決議が不要だったとしても、重要財産処分の検討を怠らないように!

重要な財産の処分にあたるか否かは、当該財産の価額、その会社の総資産に占める割合、当該財産の保有目的、処分行為の太陽および会社における従来の取り扱い等の事情を総合的に考慮して判断するべき

 

 

 

 

事業の全部

事業の重要な一部

譲渡会社側

総会承認が必要(1)

総会承認が必要(2)

(ただし、資産の帳簿価額が純資産額の5分の1を超えない場合は不要)

譲受会社側

総会承認が必要(3)

(ただし、資産の帳簿価額が純資産額の5分の1を超えない場合は不要)

総会承認が不要

契約の相手方が特別支配会社(10分の9株主)の場合(4681)

総会承認が不要

総会承認が不要

 

 

【論点】譲渡瑕疵において総会承認を欠いた場合の事業譲渡の効力

原則無効、善意無重過失の相手方には無効を主張できない(相対的無効説)